Japanische Klassiker mit Furigana
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme
「折角のお望みながら、明日は早、当寺を辞して、旅の先へ立つつもりですが」
「えっ、明日、御出発とな……」
落胆したように、宗厳は云ったが、では早暁にでも出直して来るゆえ、ぜひぜひ、出立の間際でも、もう一度、仕合ってもらいたいと口を極めて頼んだ。
「それまでに仰せあるものを、無碍にお別れもなるまい。然らば左様に早朝でなくても、お待ち申していましょう」
伊勢守は、約束を承諾してくれた。
「どうして敗れた」
宗厳は、一夜を工夫に凝して、次の日また柳生ノ庄から宝蔵坊まで歩いた。
そして望みどおり立合ったが、殆どきのうと同じような負け方をした。
どう思ったか、伊勢守は、どうせのこと、もう一日滞在を延ばそうから、明日さらに一回、仕合してみようと、彼の方から云った。
「願うてもないこと」
と、宗厳は次の日は、さらに、思念に思念を凝らし、彼の前に立った。
ところが、その三回目の勝負も、無残に敗北してしまった。
しかも三日が三日とも、同じ負け方の下に敗れたのである。心外も無念も二日目までだった。最後の一敗をうけた時は、かえって何か痛烈な爽快さを覚えた。
「この人に敗れたのは当然だ」