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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme

Aozora Bunko

「三年後に、もう一度、お訪ねする」

次の日。

伊勢守はそう約束して立った。中国から九州路への遊歴に。

「三年後の仕合には」

と、宗厳は、ひそかに自分へも誓った。そのあいだの彼のすさまじい修行の辛苦と克己とはいうまでもない。彼の位置が、何不自由ない一城の主の身であるだけに、その苦しみは、自ら求めて苦しまなければ、享けられない苦しみだった。

苦しみのない修行などはあり得ない。

苦しみに迫られて、やむを得ずする苦しみと、進んで苦しみを求める心とは、大きな相違がある。

彼は、それに克った。

永禄八年の初夏、伊勢守がふたたび訪れた時、それは実証された。

「こうもお違いになったか」

伊勢守は嘆賞して、

「おそらく、自分の眼界では、今はあなたに勝る人はあるまい。天下無双の剣といってもよいでしょう。爾今は、あなた独自の一流をもって柳生流と称されるがよい」

と、云った。

同時に、一国一人に限るとしてある新陰流の正統の印可と共に、伊勢守が旅すがら描いた絵目録をも添えて授けた。

絵目録の末巻には、伊勢守が筆をとって、その旨を誌し、永禄八年卯月の月日をも追記した。

石のふね

一

天はふたつを与えない。