Japanische Klassiker mit Furigana
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme
五
――各※(二の字点、1-2-22)、手足を洗うて、厩の馬に鞍をつけ、先に坂下の門まで出ておるがよい」
いい渡すと、
「暫時、失礼を」
と、石舟斎は、自分も身支度のため、館のうちへ入って行った。
五
彼は、子福者のほうであった。
由利女と結婚したのが早かったせいもあろうが、男女十一人の子と、三人の孫とがあった。
だが、現在、男子で健康なのは、四男五郎右衛門と、五男の宗矩、そして孫の兵庫ぐらいしかなかった。
長男新次郎厳勝も、衆にすぐれた若者だったが、備前の浮田家に仕え、十六歳の初陣に鉄砲で腰を打たれ、不具の身となってから、柳生に帰って引籠ったままである。
孫の兵庫は、その子である。
また。
次男は久斎といって、早くから沙門に入り、三男の徳斎も病身で仏門に帰依していた。
「娘どもには苦労はない。……女子は産み捨て」
と、石舟斎はいつも笑った。その半面には、いかに男の子や孫たちには、彼が人知れず育成の丹精をこめているか、世に送り出す苦労をしているか、思いやらるるものがあった。
「そちたちは、石の舟ではならぬ」
どうかして、晩酌の室に、子や孫たちを集めて、微酔のことばで戯れなどする折、戯れのうちにも、石舟斎は訓えていた。