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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

立派な立派な若殿様。お前の息子の文三なんか、束になったって追ッつきはしない。証拠があるのさ、いい証拠がね。悪人か善人かすぐかぎ出す三吉猿がなついたじゃアないか」

「ほほう」というと楠右衛門、金網窓へ半面を向け、槍の穂先をとぎ出したが、「三吉猿がなつくようなら、なるほど悪人じゃアなさそうですね。……文三、こいつは馬鹿でごわす」

するとさっきからそのそばで、弓弦を張っていた当の文三、テレまいことか、頬をふくらませフッと横を向いたものである。

「アッハッハッ」と杉窪の銅兵衛、とりなすように笑い出した。「どうも相変わらず口が悪い。が、こいつも育ちのためさ。素姓は途方もなくいいのだが。……それはそうとそのおさむらいさん、姓名を名乗りはしなかったかな?」

「姓は袴、名は広太郎。こうおっしゃってございますの」

「えッ」というと杉窪銅兵衛、持っていた種ヶ島をほうり出し、何かにさされでもしたように飛び上がった。

「袴広太郎! ううむ、袴! や、えらい人がおいでになった!」

「爺つぁんおめえ知ってるのか?」けげんそうに楠右衛門が声をかけた。

「知ってる段かい、大知りだ! 立派な人物! いい味方だ!」