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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

根岸の屋敷

「そ、そいつは申されません」

文三にわかに後じさりをした。

「それはまたなぜでございますな?」金弥さもさも不思議そうにきく。

と、その時どこからともなく、フフンという冷笑の声がした。

根岸の屋敷

フフンと冷笑の声はしたが、二人の耳へははいらなかったらしい。

「何ゆえと申しましておさむらい様、うかうかとお屋敷をあかそうものなら、先廻りをしてあなた様が、私のこがれている君尾様を、横取りなされないものでもなし……で、お屋敷はあかされませんなあ」文三用心がいいのである。

「それなら大丈夫でございます」金弥別に怒りもしない。「私にはお京様がございますので」

「あっ、さようでございましたね。あの、ところでお京様は、まだ手がかりがございませんので?」

「八百八町広いお江戸を、五十ぺんほどもまわりましたかしら。いまだに手がかりはございません」

「さぞお疲れでございましょうな」

「他人の足のようになりました」

「ほんとにご同情申し上げます」

「はい、そうしてあなたへも」

丁寧に二人辞儀をした。またションボリと向かい合っている。と金弥がいい出した。

「今夜もお探しでございますかな?」

「はい、これから参ります。