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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

暗示の言葉

「うん、ところで駕籠賃は?」キワドイところ、掛け合いをする。

「めっそうもない、そんなもの。なんの親分さん、戴きましょう」

「そうか」といったが奥歯をかみしめ、「おれはわいろは取らねえぜ」しかしとうとうニコツイてしまった。「駕籠賃ぐらいはいいだろう」

トンと駕籠へ腰を据えた。「早くやんな、ゆするなよ」

ホイホイというので駈け出した。

クックックッと早引の忠三、横っ腹を抱えたものである。「見せてえなあ、あねごによ。忠的忠的ってばかにするが、その忠的時によると、こんな儲けもするんだからなあ。それにさ、あねごはコキおろすが、中条流の縄だって、場所によっては役に立つ。クックックッ、ただの駕籠だア」

「へい四谷へ参りました」

「うん」というとヌッと出る。巴小路へ入り込んだが、いわば敵地へ乗り込んだようなものだ。オッチョコチョイの忠三ではない、顔も身体もひき締まった。巴御殿の玄関に立ち、「ご免」といった声にさえ、ピーンと覇気がみなぎっている。

暗示の言葉

巴御殿の表門から、一挺の駕籠がかき出されたのは、忠三が入り込んでから半とき後で、北をさして走って行く。内にはたれがいるのだろう? 牛込を過ぎ小石川に入り、掃除町まで来た時である。