Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

母の形見

胸に垂らしているそのまるい物、いったい何でござんすね?」

松明を差しつけたものである。

「これかえ?」というとイスラエルのお町、首へかけた銀鎖、その先に着いている黄金のメダルを、大事そうに掌で支えたが、「形見のメダルさ、お母様のね」そういった声にはなつかしさと、悲しさがいっぱいにこもっていた。「打ち出してあるのさ、お母様の像がね。……可哀そうな可哀そうなお母様! お美しかったお母様! ……なくなられる前にお手ずから、妾の首へかけられたのよ」

「ナール」といったが早引の忠三、全くめずらしくしんみりとなった。「だがねえあねご、何と思って、そんな物をかけていらしったので?」

「なんでもないさ。お守りにだよ」

「ナール」ともう一度早引の忠三。「こいつはお守りになりましょうよ。雲の上からお母様、じっと見おろしておりましょうよ。殉教者ののぼる天国のね」

「いいえ妾の胸の上から」掌を捧げるとイスラエルのお町、眼の前へメダルを持って来た。松明の光にぼんやりと、打ち出された肖像が浮き出して見える。まぎれもないスペイン型、たけた若い美人である。と、お町うつむいた。メダルへくちびるを触れたのである。