Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

ネロ行き詰まる

叫ぶと一緒に広太郎を、ドンと地上へ置いたものである。手を伸ばすと広太郎の片袖、グイとばかりに引きちぎった。

ネロ行き詰まる

なぜ広太郎の片袖を島原城之介は引きちぎったのか! 広太郎の肩の傷口から、血がしたたっていたからである。

「こうむやみと出血しては、可哀そうに死んでしまう。死んでしまっては玉なしだ。せっかくのモクロミが駄目になる。何を置いても一介抱、どれ」というと腰をかがめ、ちぎった片袖をさらに裂き、クルクルと傷口を引き結んだ。

「よろしい」というと引っ抱えた。落ちていた鉄杖を拾いあげ、それからあたりを見廻したのは、つけてくる奴があるかないか、そいつを見きわめるためであろう。「大丈夫、どれ参ろう」

やぶの裾を歩き出した。と不意に城之介の姿、どこへ行ったものか見えなくなった。だが誰か人あって、しさいに耳を傾けたなら、周囲十町は充分にある。大藪地帯を押し分けて、奥へ奥へと歩いて行く、きぬずれの音を聞くことが出来、やがて遙かの藪地の底から、重い扉でも開くような鈍い物うい音がして、つづいて多勢の若い女の、泣いたり笑ったりわめいたりする。奇怪な合唱の声が聞こえ、ふたたび鈍い音がした時、はじめて夜の静寂が、立ち帰ってきたことを知ることが出来よう。