Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
人さらい
「おかしいなあ、なんのことだろう? お嬢様にご用心なさりませ。あぶのうございます、ご用心。……おれにいったのか誰にいったのか、こいつからしてわからない。おれには一人だって妹はない、女房がないんだから娘もない」
気がついて見るとその傀儡師、宮坂町の方へ行くと見えて、春日町の辻を西へまがった。
「待てよ、こいつひょっとすると、お京様のことじゃないかしら? どっちみちひどく気にかかるなあ」真夏の白昼、修験者と傀儡師。二つのものの怪にぶつかったように、広太郎は慄然と身ぶるいしたが、はたして大事件が持ち上がった。
人さらい
その夜起こった事件というのは、不思議といえば不思議でもあり、奇怪といえば奇怪でもあるが、平凡といえば平凡ともいえる。一口にいえば、娘のお京が、危うく人さらいにさらわれようとしたのを、袴広太郎が人さらいをとらえ、通りかかった同心達へ、突き出したというまでである。
人さらいというのはほかでもなく、「イスラエルの神へにえ捧げようぞ」こう呼ばわった修験者であった。
その夜お京は兄の部屋で、かなり遅くまで話しこみ、十二時近くなって寝についた。お京はおとなしい性質で、日本式の娘型。