Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
そうして巨大な材木の皮が、ひとりでにグングンむかれたり、また幹がひとりでに輪切られたり、板のように扁平に削られたり、そうかと思うと粗造ではあるが、盆や椀や筒などの形が、つくり出されるのを見ることが出来よう。
その建物のまわりには、栃だの欅だの檜だの、羅漢柏だの落葉松だの高野槇だのの、すぐれた木地が積み重ねられ、丘のような形をなしている。木地師達のくらしは規則正しく、そうしてきわめて清潔で、みだらなところなどは少しもない。
だがこれは不思議なことではないか! 元来木地師というものは、最も下等な漂泊民で、木地を目つけて山から山を、獣のように渡り歩き、採った木地類は漆器屋に売り、同族結婚、姦通、自堕落、無道徳というのが普通だのに! もっともいい木目を目つけたり、またよい根瘤を目つけたりすると、手製の小刀やのみなどで、簡単な器類は作るけれど、機械を備えた工場などを、持つようなことは決してない。それにかれらの住居はといえば、せいぜいのところ犬小屋のような、掘立小屋というようなもので、木小屋などへは住むものではない。めったに一ところへはとどまらず、絶えず漂泊しているものである。