Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
色こそあおざめているけれど、さすが縹緻を自慢するだけあって、眼に立つほどに美しい。トンと腰かけにひじを突いた。「これ女中、お銚子」気取ることだけは忘れない。「オホン」とイヤな咳をした。しかしすぐにガックリとなり、茫然として考え込む。
五人の侍うれしがってしまった。
「おい、三好坂、お前ゆけ」
「よろしい」というと立ち上がり、ニヤニヤ笑いながら近寄った。「あいや、お武家。お酌しましょう」
驚いた金弥、眼をあげると、三十八、九の立派な武士、向こう側に腰かけている。
「これは恐縮、いやそれには……」
「ご遠慮なさるな」とドクドクとつぐ。「南蛮屋とはおなじみかな」
「なかなかもって、今夜がはじめて。それも偶然通りかかり」
「ははあさようで、それなら結構、こんな所へは来ない方がよろしい。お見受けすればご若年。それにどうやら浮かないご様子、失礼ながら失恋かな?」沈着な声でズケズケと聞く。
すると金弥は眼を見張ったが、「ほほう、どうしてご存じで?」
「アッ、やっぱり失恋か。それはそれはご同情に堪えぬ。玄人でござるか、素人でござるか?」
「許婚でござる、拙者のな。旗本の長女で名はお京。