Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
さて取り上げた四百余州……」中途で言葉を切ってしまった。誰が将軍なんかに寄付するものか、おれが文字通り王様になるのさ! こういう腹があったからである。由井正雪の乱があって、老中に疑いをかけられるや、「めでたい!」と頼宣まずいった。「嫌疑の本人がおれでよかった。外様大名なら家が潰れる。そうむやみと潰してはいけない」それからからからと笑ったそうである。さすがの知恵伊豆も眼を丸くし、「大納言様は凡人でない。尋常にゆけば宗家の柱、下手にそれるとがんになる。さわるなさわるな、そっとして置け」こういったということである。「うん、おれは南海の龍だ!」これが頼宣の常套語であった。そこで号して南龍公という。
下ぶくれの垂れ頬で、一見すると大変やさしい。半白の髪を茶筅に取り上げ、薄茶のかたびらの着流しである。塗り骨の扇で涼を入れ、じっと見ている見台の書は、六韜でもなければ三略でもなく、意外! スペイン語の兵書である。
とまたあま戸へあたる音、ハタハタハタとやわらかい。
「これはおかしい」とズイと立ち、ふすまを開けると長廊下、つと立ち出でて雨戸を開けた。スーッと舞い込んだ一羽の鳥、はがいをちぢめると座敷へ下りた。