Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
南洋産の白鸚鵡、首に紙片が巻き付けてある。
「ほほう」とさすがに驚いて、静かに坐るとだきかかえた。鸚鵡はちっとも動かない。紙片をほぐすと女文字、一通り見ると打ち案じたが、やがて蒔絵の硯箱を引き寄せ、何かサラサラと料紙へ書きたたんで鸚鵡の首へ巻いた。それをあいずに舞い上がり、一巡部屋を廻ったが、すぐに戸外へ飛び去った。雨戸を締め切った頼宣卿、ポンポンポンと、手を打った。
「はっ」といらえてふすまを開き、手をつかえたは宿直の武士、「は、お召しでございますか?」
「うむ、ちょっと兵庫を呼べ」
間もなくやって来たは牧野兵庫。おそば去らずの寵臣で、火術にかけては扶桑第一、丸目一貫目の筒をかかえ、品川の海、五町の沖合い、廃船を轟然と打ち沈めたという。人品骨柄も打ち上り、年齢四十一歳である。
「おお兵庫か、これを見い」例の紙片をヒョイと出した。
「拝見」というと押し戴き、一渡り見たが顔を上げた。「町姫様よりの懇願状!」
「うむ、そうだ。意外だったよ」
「しかしお館にはどうしてこれを?」
「今な、鸚鵡が舞って来た。そうしておれに手渡したのさ。で、すぐに返辞をやった」
「ははあ、鸚鵡が?」