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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

それをおりると樫の扉、それを開くと牢格子、もうこの辺は地下である。

「鵜野、戸をあけい」と正雪の声。

ガチンと錠の上がる音、ギーと開く牢屋口、ズイと二人はいり込んだ。雪洞の灯に照らされて、ボッと明るい牢の中、その中央の板敷きに、何か生き物がいるらしい。白髪、白衣、修験者で、手を合掌、顔を上向け、熱心に呪文を唱えている。すなわち島原城之介である。

「島原、島原、城之介! おいのりかな、精の出ることだ」まず正雪声をかけた。「が、根気ではおれも負けぬ。今夜もお前を責めに来た。さあさあ強情もいいかげんにしろ。巻軸を出せ、出してしまえ」パチパチと鳴らしたは、むちである。

と、城之介合掌を解き、グルリと正雪を振り返ったが、

「正雪殿、ご苦労千万」こういった声には鬼気がある。「全く根気のよいことで、日夜お責めにいらっしゃる。で、拙者も持っているものなら、その巻軸とか申すもの、早速進呈致したいのでござるが、お気の毒様で持っていません。その証拠には衣裳をはぎ、下着を取ってお調べになったが、どこにもなかったではござらぬかな」むしろヘラヘラ笑ったものだ。

「うむ、それはわかっている。