Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
巻軸のありか
「ナニ、それではイスラエルのお町は、頼宣公のご落胤か!」正雪仰天したらしい。
「そのご落胤の町姫様がおすがりしたのでございます」
巻軸のありか
牧野兵庫の駕籠が帰り、夜が白々と明け初めた頃、由井正雪の門前で、ジャランという鉄杖の音がした。現われたのは島原城之介、スタスタ町の方へ歩いてゆく。
「由井正雪といったところで、ろくな知恵は持っていねえ。眼の前にある巻軸に、気がつかねえとはあきれたものさ。身体や頭をさがしたところで、なんでそんなものがあるものか、持ち物にだよ、持ち物にだよ」こんなことをつぶやいている。
明けゆく江戸は美しい。高台のあたりで烏がなき、雀が八方に飛びちがう。乳色をした夏の靄、裾の方からまくれてゆく。と、城之介深呼吸をした。「やっぱりな、土牢よりはいい。土牢は空気が不潔でいけねえ。それに随分責めやがった。この大行者の城之介様をな、三下並みに扱かやアがった。よこせよこせ巻軸を! ふふん、取られてたまるものか」
山伏町から箪笥町、築土八幡から東北へそれた。
「眠いねむい、恐ろしく眠い。入りかわり立ちかわりやって来て、眠らせねえようにしやがったんだからなア。