Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
おあにいさまの命も、山のりょうにはおなれにならないものですから、いっこうに獲物がないので、がっかりなすって、弟さまに向かって、
「わしのつり道具を返してくれ、海のりょうも山のりょうも、お互いになれたものでなくてはだめだ。さあこの弓矢を返そう」とおっしゃいました。
弟さまは、
「私はとんだことをいたしました。とうとう魚を一ぴきもつらないうちに、針を海へ落としてしまいました」とおっしゃいました。するとおあにいさまはたいへんにお怒りになって、無理にもその針をさがして来いとおっしゃいました。弟さまはしかたなしに、身につるしておいでになる長い剣を打ちこわして、それでつり針を五百本こしらえて、それを代わりにおさしあげになりました。
しかし、おあにいさまは、もとの針でなければいやだとおっしゃって、どうしてもお聞きいれになりませんでした。それで弟さまはまた千本の針をこしらえて、どうぞこれでかんべんしてくださいましと、お頼みになりましたが、おあにいさまは、どこまでも、もとの針でなければいやだとお言いはりになりました。
ですから弟さまは、困っておしまいになりまして、ひとりで海ばたに立って、おいおい泣いておいでになりました。