Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
「おう、お賑やかなことでござるの」
「や、伝右殿か」
「伝右殿、ここへござれ」
下の間の若者達は、べんがら染の炬燵ぶとんを中心にかたまっていた。伝右衛門は、自分の息子たちを見廻すように、眼をほそくした。
「いつも、お元気じゃの。――何か面白い話でもござったか」
「あるわ、まあ、お坐りなされ」
飄逸な、片岡源五右衛門がいった。
「――今の、近松勘六めが、惚気をいうた」
「それは近頃、珍しいことじゃの。して、どんな惚気?」
「江戸詰の頃、他藩のお留守居とともに吉原とやら参って、ひどう、妓にもてなされ、帰されないで、弱ったことがあるといいおる」
「はははは。この勘六殿がのう」
と、その勘六のそばへ坐った。炬燵の温みが、あいあいと和気をたたえて、伝右衛門は、自分までが若やぐ気がした。
勘六は、討入の時、吉良方の猛者と出会って、泉水に落ち、その時、小手に怪我をしたので、白布で左の腕を首に吊っていた。
頭を掻いて、
「嘘、嘘」
「二言をいうぞ、伝右殿が来たと思うて」
「はははは」笑いながら、一人が、伝右衛門のそばにある蓋器を見つけて、
「これは何じゃ」
伝右衛門は、蓋をとって、
「稀に、かような茶うけも、よかろうかと存じて」