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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「左様でございます」

「――じゃあ俺も、考え直してみよう。だけれと、お尋ねの人の神主の弟などを胸の中にいつまでも慕っていられちゃあ、お聟さんがかなわないが」

「わたくし……そんな気もちを持たないという証拠をあなたにお見せします」

「証拠を。おもしろい、どう見せてくれる」

「あなたが、縁談の縒をもどして――そして、虫のいいお願いですけれど、最初の約束のように、父の苦境を救って下さると仰っしゃれば」

「よし」

専右衛門は、手を鳴らした。

そして、自分の手代を呼んで耳打ちすると、すぐ手代が金を持って来た。少ない額ではなかった。

「じゃあ、この場で五百金、結納として、お父さんに上げておこう」

綿屋の伝兵衛の苦境は、町でも知らない者のないほどだった。人の知っている以上、懐中はなおさら苦しかったのである。娘の体で救われる金をそこに見ると、伝兵衛は、面目なげにさしうつ向いた。

四

「御新造さま。済まないことをいたしました。どうか、勘弁して下さいまし」

米は持たないで不意に来た穀屋の若い者が、泣かんばかりな顔をしておかやに詫びるのであった。

「どうしたんですか、私には少しもわけが分らないが」