Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
田作
「さあ」
「やはり、死罪でしょうか」
「何とも、まだ」
「死罪でも、打首か、切腹か、磔刑か」
「いうな」
伝右衛門は、首を振った。
「――お裁きは、御政道じゃ。将軍家や閣老方の慎重なるお考えにあること。われわれなどが口にすることでない」
だが、すっかり機嫌はなおって、伝右衛門は、やがて、のびのびと、安息の寝床に入った。
彼が、眠りかけると、
「修蔵様、お帰り」
と、玄関の方で、お磯とお麗との声がした。
――帰ったのかな?
伝右衛門は、そう思ったが、修蔵の部屋に、人の入ったらしい跫音はしない。
「ははあ」
と、伝右衛門は覚っていた。
案の定、夜が更けてから、裏庭を開けて、そっと、寝所へ跫音が消えこんだ。それが、修蔵だった。
「ちッ……」
と、彼は寝返りをうった。
田作
細川家の優遇を通して、世間のうわさだの、身寄りの消息だの、またその後の上杉家の態度などが分ると、十七士は、することもなく、一日ましに、藩の接伴役と、親しみを加えて行った。
伝右衛門は、宿直だった。
広間の方で、あまり愉快そうな笑い声がどよめくので、彼は、夕刻、お台所の方からそっと取り寄せておいたごまめの醤油煮に唐辛子をかけたのを、蓋器にいれ、のこのこと出向いて行った。