Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
四
……しようのない奴」
苦笑して、今度は、
「右門。右門はいるか」
と、末弟を呼んだ。
兄の影を見たので、右門はあわてて中二階を降りていた。
「はい。右門はこれにおりますが」
「廊下か。来るには及ばん。裏の原へ出て、月見をせぬか、月見を」
「よろしゅうございますな」
「昼間、仲間どもが、網を打って、鶉を十羽も捕ったという。芋田楽に、鶉でも焼かせて、一献酌もうではないか」
四
酒は好きでなかったが、兄の機嫌を損じてはと、
「では、支度させましょう」と、右門は先に、戸外へ出て、若党の佐田承平と、仲間の六助とを呼び立てた。
「昼間捕った鶉があるか。あったら、裏の原へ、莚を敷いて、田楽焜炉に炭火をつぎ、芋や串肉を焼くようにしておけ」
「誰が召上がるんで」
「兄上だ」
「十兵衛様ですか。かなわねえな」
承平と六助は、顔を見合せて、頭をかいた。自分たちの寝酒のさかなにするつもりなのであった。
月の下に、一枚の莚が敷かれた。
十兵衛はやがてそれへ来て、弟の酌で飲み始めた。
「どうだ。おまえも一杯」
「私は……」
「不自由な奴。相変らず飲めんのか」
「すぐ咽せてしまうのです」
「又十郎と半々になるとちょうどよいに。