Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
そして、各村の庄屋を訪ねたり、老農について、体験を聞いてみる事だった。
その人々は、口を揃えて云った。
「それやあまあ、旦那様のお考えは結構じゃが、どんなに人間と金をつかったって、一反の田だって、出ける事じゃごわせんぞい。わしら、山つなみだの、洪水だのと、水に悩まされていることは先祖代々からのこって、その先祖たちも、どれほど今日までにゃあ力を協せてやったかも知んねえし、御領主様だって、御奉行所や開墾役所を置いた事も以前にゃああったが、みんな金を水へ捨てに来るようなもんでの、役所を払って四十年も抛ったらかしになっているくれえなもので……。旦那様あまた、えらい目におあいなさるだけのこッちゃで」
体験の多い老農ほどそう云うし、五所川原の代官などは、口を極めてその無謀を諫めて、
「まあせっかく、殿にも御意がうごいたところ、今さら、御中止にもなれまいが、御病態を作って、藩のほうへも、延々にしておかれたがよろしゅうござるぞ。藩政御困窮の折ゆえ、溺れるもの藁をもつかむで、殿にも、僥倖をのぞまれるのであろうが、心ある老臣方は、たださえお手許の不如意なところへ、莫大な失費。