Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

裏で燈す灯

じゃあ来年またおいで」

心意気といえば、自分のヘマも隠されるし、先でも賞めてくれるかと思っていたが、案外、それが気に喰わなかったように、通船楼の若いおかみさんは、さっさと、清吉を置き去りにして、暗い横丁へ急いでしまった。

裏で燈す灯

ごぼごぼと、咳の声がする。うどん屋へ外していた易者の梅掌軒がもどって来て、もう筮竹を鳴らしているのだ。

「唐桟を持っていたのに……その事は何も云わなかったが」

若いおかみさんの曲がった横丁へ、清吉も曲がって行った。

彼が尾いて来るとは知らないもののように、通船楼の若いおかみさんは、薄暗い質屋庫にひっ付いている蔀障子を開けて、そんな所を潜りそうもない姿をついそこへかくした。

「……あ、質屋へ?」

袷季節に、買ったばかりの袷の反物を。

それを買う時に云った歯ぎれのいい若いおかみさんの言葉が、清吉の耳へ甦ってきて、何か皮肉なものを感じさせた。

「これで、あそこの楼の内緒も、知れたもんだ……」

八幡鐘が横丁を鳴って通った。

「ア、九刻」

清吉は、急ぎ出した。通船楼のおかみさんは笑ったが、秀八の金の使い途を聞いてみると、清吉は、あの女が、確かに自分の心意気を受け取っているものという感じがした。