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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

「彦太。てめえは、余り話が長びいたので、すねたんじゃねえか。一度、ひきうけたからにゃ、黙っていても、骨身を砕くのが俺たち夫婦の性分なんだ。御家人株なんざ、売り手は腐る程があるが、先へゆく程、値は下落る様子だし、又、先の家がらや、娘があるなら娘も、出来るだけいい筋をと、殿様も、念を入れて探して下さるからこそ、長くもなったんだ。――それをてめえ、有り難えと思わず、欝いで、さアあったという段になってから、じぶくるなんざあ吾儘すぎるッてもんだぞっ。俺たち夫婦を、板ばさみにして、腹癒せする気かっ」

二人の言い条である。

彦太は、平謝りに謝った。その話は、時間と無言のうちに、解消されて、伯父夫婦も忘れ去った事だとばかり思っていた。

ところが、伯父夫婦と、割下水の笹本との間に、話は、すっかり進んでいて、急にきょう、例の道楽者の社中である船宿の薪梅で、取引をしようというのだった。その士格の売主は、小普請目見得格で小牧甚三郎という御家人、一人娘があるから、聟の形式をもって継いでくれれば、万端都合がいいという。――そして、こっちの身がらは、一切承知だし、株の値段も、最初は百二十両を希望していたのを、弁政夫婦が、こぎつけて、纒ったら、七十五両に負けようとまで、内談はできているのだった。