Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

折りたたまれた紙をあけて見て、伸子はまごついた表情になった。

「変だわ、これ。――何のことなんだろう」

ケサ六ジ、イソ、ザ、キキョウ、スケシス

スケシスというギリシャ語みたいなローマ字つづりで、いきなり戸惑わされた伸子は、冒頭の、ケサ六ジという一句の意味が明瞭で動かしがたいだけに、よけい判断を混乱させられた。わかるのは、この電報が素子からではないということだけだった。イソ、ザ、キキョウ、スケシス Iso za kikyo Sukeshisu とは何のことだろう。

「みせてごらん」

泰造が、すこし顔からはなして読む電報を、わきに立って、伸子ものぞきこんだ。

「ね、――わからないでしょう?」

ややしばらく電文を見ていた泰造が、

「これは、綴りが、ちぎれちまっているらしい。上の字へつくはずだったんじゃないか。イソザキ、キョウスケっていう工合に。――そういう名のひとを伸子は知っているかい」

「知っているわ」

そう云われて、目をすえてよみ直した伸子の頬から顎へ鳥肌だった。

ケサ六ジ、イソザキキョウスケ シス――死す――

「まあ!」

それは伸子の心からのおどろきの声であった。