Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「あなたのような若い女のくせに、わたしに損をさせるもんじゃない!」

これは途方もない、云いがかりの身ぶりだった。

「わたしに責任はありません。あなたが食事つき下宿と、入口にかき出しておかなかったのは、お気の毒です」

「別のところへ部屋を見つけなさい。もっとやすいところへ――やすいところへ」

フランス人に特有な両肩のすくめかたをして、男は伸子にわからないフランス語のあくたいをついた。

「あなたが部屋をあけなければ、あなたの荷物を、道ばたへ放っぽり出すから!」

伸子は腹だちを抑えられなくなった。

「あなたにそうする権利があると信じているなら、やってごらんなさい。――やって、ごらんなさい! わたしどもは、その結果を見ましょう。フランスは法律のない国ですか?」

やっと男はだまった。

「わたしの承知なしで、あなたは何一つすることは許されません、荷物にさわることも、室をひとに貸すことも――」

おこりきった顔と足どりで、伸子はさっさとホテルの玄関を出た。戸外には、天気のいい十月の朝の、パリの往来がある。小公園のわきをとおってペレールへの横通りへ曲りながら、伸子は、だんだん腹だちがおさまるとともに、あのホテル全体に対するいやな気持がつのって来た。