Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「手に下げられるような形の鞄の方がいいと思うんですけれど」

船室で使うスーツ・ケースがいるのかと思ったが、須美子のさがしているのはそういう種類のものでなく、婦人向の気のきいた手まわり入れでもないらしかった。

「何というんでしょう、両方へくちが開く鞄がありますでしょう、すこし深くて――昔からある形だと思うんですけれど」

陳列の間をさがして歩く須美子の足どりにも、眼つきにも、子供売場での須美子とちがった熱心さがあらわれていて、ほかの型ではどうしても彼女の役に立たないことが、はっきりしている風だった。

「きっと、はやりの型じゃないんでしょうね」

根気よく売場を隅々までひとまわりして、おしまいに棚の上の方でやっと須美子の求めているらしい形の鞄が発見された。

「ああ、あれですわ、そうらしいわ」

須美子は、背広を着た若い店員に、その鞄をおろさせた。茶色皮で、どちらかというと野暮くさい両開きの鞄を台の上へおいて須美子は丁寧にうち張りと縫めをしらべ、幾度も鍵のしまり工合をためした。そうしながらも、須美子はその鞄の容積を気にして内外から調べる様子だったが、その結果彼女は、もう一つ同じ型の鞄を買うことにした。