Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子はそれを不思議に思いながら、結局自分がひとりでモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰ろうと思っている計画がたやすくなったとしか、考えなかった。けれども、多計代は伸子をパリにおいておいてモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の藤原威夫に会う計画だったのだ。それは何のためだろう――。
明るい昼の雨にぬれて赤銅色にそまっている秋の梢を眺めながら、伸子は、指先のつめたくなるような思いに考えしずむのだった。自分がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)でもパリでも、どんな政治的な団体にも連関をもっていないことは、何とよかったろう。さもなければ、パリで毎日数時間ずつ伸子と一緒に暮していた母親が、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ着くなり、日本の諜報者としての任務を帯びて駐在している藤原威夫のところへ自分だけ行って、午後じゅうそこに留まっていたなどということは、第三者として伸子がきいても単純に解決されにくい、おかしな動きかただった。多計代は多計代らしく考えまわして、泰造はたよりにならないと思い、これだけはわたしひとりで、と思いこんだことがあったのだろう。