Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「きみがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来ていることは、きいていた。とにかく、よく来たよ」

論文などをかくとき山上元は英語を使用していた。伸子がこの室へ訪ねて来たとき、彼のうっていたのも英文タイプだった。けれども、彼の話す日本語は、ちっとも錆びついていないで、いきいきしていた。ソヴェトの生活をどう思うかという質問が出たとき、伸子は、ありのままに話した。

「七ヵ月ばかり、あっちこっちして、ロンドンやベルリンをちょっとでも見て来たのは、わたしのために、ほんとによかったと思います。日本で、わたしは何にも知らないで来ているから、ロンドンなんか見ると、しんから資本主義の社会ってものがわかったんです。ドイツにしても――ドイツってところは、ベルリンをちょっと見ただけだけれども気味がわるかった。ソヴェトというものの価値が、しっかりのみこめてしまったんです」

「ハハハハ、のみこめてしまった、か。そういうもんだ。僕が一八九四年にロンドンやエジンバラの貧民窟を見て、社会主義についてまじめに考えはじめたようなもんさ」

山上元は暫く話していて、

「一つ、僕のつくったジャムをごちそうしてやろう」