Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「それは、うれしいけれど」

「けれど、どうなんだ」

「あんまり思いがけないから」

「まさか、親に相談しなくちゃならないわけでもないんだろう?」

このままモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に居ついてしまうということは、形の変った亡命だった。佐々の両親に、何を相談するべきことであるだろう。

「そんなら、きみのはらひとつじゃないか」

「わたしは、こっちにいてしまってもいいけれど、仕事がわからないんです」

伸子の心は、山上元がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にとどまるようにと云った瞬間から、もう九分どおり決ってしまったようなものだった。伸子が、最後の一分でわからないでいるのは、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に止ったとして、それからの伸子がするべき仕事は何かという実際上の問題だった。伸子は、年齢にくらべると、早くから文学上の仕事で働き、それで生活しつづけて来た。

「何も心配することはない。きみの能力ですることはいくらもある。ありすぎるぐらいだ。いくらいい小説を書いたって、日本じゃせいぜい千単位なのにくらべりゃ、こっちで、十万部読まれた方が、どんなに作家としたって気持がいいかしれなかろう。