Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
バレーでもすこしまとめてやりたいと思って……」
再び伸子は睫毛のうっとうしい宮野の顔をうちまもった。何て変なことをいうひとだろう。折角こっちにいるんだから、バレーの研究でもやる。――外交官の細君でもそういうのならば、不思議はなかった。良人が外交官という用向きでこっちへ来ていて、自分も折角いるのだから、たとえばロシア刺繍でもおぼえたい、それならわかった。けれども、この若い男が――では、本当の用事は何でこのひとはソヴェトへ来たのだろう。はじめっからバレーの研究をするつもりもなくて来て、折角だからバレーでもやろうというような話のすじは、伸子にうす気味わるかった。伸子にしろ、素子にしろ、フランスではないソヴェトへ来るについては、はっきりした目的をきめているばかりか、いる間の金のやりくりだって、旅券やヴィザのことだってひととおりならないことで来ている。それだのに――伸子はかさねて宮野にきいた。
「どのくらい、こっちにいらっしゃる予定なの」
「さあ――はっきりきまらないんです。――旅費を送ってよこす間は居ようと思っていますが……」
素子が、へんな苦笑いを唇の隅に浮べた。