Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そして、かえしたオペラ・グラスで又ひとしきりあっちこっち見まわしてから、少年は、いまそっちへゆくという意味の合図をして、見えなくなった。
ピオニェールは、オペラ・グラスをかえしに来た。素子は少し伸子をとがめるように「やっぱり来たじゃないか」とささやいた。そして素子と少年との間に、断片的な日本の話がはじまった。
「モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に日本人すくないですね。中国人は僕よく知ってるんです、『子供の家』に中国人の子供がいたから。僕日本人にあったのはじめてです」
自分の名をペーチャと云って紹介したピオニェールは、やがて開幕を告げるベルが場内に鳴ると、
「僕、こっちの席へうつってもいいですか」
と素子にきいた。
「幕間に、もっと日本のことがききたいから」
その晩のエクスペリメンターリヌイ劇場は八分の入りだった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の劇場ではそこがあいていることがたしかなら、席をかえてもかまわない習慣がある。――もっとも、そんな空席のあることはまれだったけれども。
ピオニェールはそのままバルコニーにのこって、赤ブラウスの女の一つうしろの席に坐った。