Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「わたしの話をもの足りなくお思いになったり、半信半疑でいらっしゃるのは、当然だわ。よそと全くちがうんですもの。ほんとに、どなたにしろ、行って御覧になればいいのに――経験も自信もおありになるんだから……ここからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)までは一晩よ」
そう云って、伸子は反響をもとめるように若い人々がかたまっているカミンの横の席の方を眺めた。さっき、怜悧で皮肉な微笑を泛べながら伸子を見ていたひとは、やっぱり腕組みした肩を軽くカミンにもたせ、くみ合わせた脚をふっているが、視点は低く足許のどこかにおかれている。テーブルに向っている半白の髭のひとは、こげ茶色の服を着て鼻髭のある隣席のひとと、伸子にはそれが伸子を無視したことを示すものだと感じとれる態度で私語しはじめた。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へみんなが自分で行って見て来るように、という伸子の実際的なすすめは、その夜、伸子が話したどの言葉よりも吸収されずに、伸子のそういう声がひびいたそのところにそのままかかっているのだった。
ひきつづいて何かうち合わせをするという皆より一足さきにその室をでるとき、伸子と素子とは木曜会の客として、来週のうちに二ヵ所で行われる見学――セント・クララ病院とベルリン未決監獄の病舎の視察に招待された。