Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
艷の消された水色と、灰色がかって爽やかな緑で調和している風景は、車窓から眺めている伸子にシャ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ンヌの色調を思い出させた。シャ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ンヌがこのんだ、しずかなその諧調は、こうして旅してみればフランスの自然がその中に生きている色だった。優雅な、ほとんど清楚と云っていいフランスのこの自然色は服地にもつかわれて、東京にあるフランス人経営の中学校の制服に同じ系統の色が用いられていた。保が、その学校の一年生になったとき、伸子は、少年の制服のそのしゃれたフランスの色をこのもしいと思って見た。
フランスの自然の主調であるこの色は、またフランス陸軍の色でもあった。そこでおそらくこの優美な色調は地物の色とよばれ、掩護色と云われる種類のものでもあるのだろう。
車窓のそとは次第に暗くなって、やがて一直線にマルセーユに向って走っている夜行列車の窓ガラスには明るく車内の電燈が映るようになった。
ほんとうは、自分一人がこんなにして夜汽車でマルセーユまでうちのものたちを迎えに行くようになるとは、伸子は考えていなかったのだった。