Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「あなたがた、やっぱり一緒に来てみたかった?」
「冗談じゃないよ、姉さん!」
心外この上ないという、にらむような表情で和一郎が伸子の言葉を否定した。
「僕たちは、来たいどころか、来ないですましたいと思って、いくたびことわったかしれやしない。使っていい金があるんなら、もうすこしあとんなってから、僕たち二人でちゃんと計画して来る方が、僕のためにもなるんだからって。――そりゃ、全くそうなのさ。小枝はおふくろの小間使い。僕は小使いなんて、志願するもんか。無理矢理さ。ついて来ればいいんだっていうから、ついて来ているだけだ」
和一郎はそれだけをいうにも、見かけは柔和らしい面長の顔に、ふてくされてけわしくなっている神経の表情を浮ばせた。マルセーユ以来、和一郎自身は、そういう感情を両親に対してあらわに行動した。そのために小枝の立場は、いつも双方への心配にみちて、板ばさみにされているのだった。
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で和一郎と小枝の結婚について多計代からの知らせをうけとったとき、伸子には、二人の結婚が多計代に承諾されたということさえ意外のようだった。