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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme

Aozora Bunko

庭の草も茫々、障子の貼代えも年に一度を二年越しに持たせたりしている。唯、そんな家庭にも絶えず旺な物音がある所以は、元気な男の子二人のためだった。兄の紀一郎がことし十五。弟のなかなかきかない方が、やっと九歳で、通称謙三郎、字は寛猛、後に養家の高橋姓に改めて、伊勢守となり、泥舟と号した人である。

その高橋家は、母の里方の家だった。

二の丸留守居役の高橋義左衛門包実が、母の父であった。兄弟たちには外祖父にあたる人だ。

そこへ兄弟は、毎日、剣道と槍術の指南をうけに通っている。高橋家は、累代、剣、槍、薙刀の三法一如を唱えて、幕府の子弟に教授し、流風は地味であったが、武技そのものより士魂を尊んで、幕末の頽廃的な士風に、復古的な武士道教育を打ちこんでいた。

その祖父であり師である高橋義左衛門が、ふと訪れて、

「此家の兄弟を出してみんか、人前に立たせるのも、修業のひとつじゃで」

何の話かして帰った。

父と祖父との対談を小耳にはさんでいた兄弟は、まろい眼を見合せていた。義左衛門が帰って行くと、紀一郎、謙三郎のふたりは呼ばれた。父の市郎右衛門は、二人を見較べて、

「そち達、よう精出して喧嘩するので、明日は、曠れて真剣の決戦をさせてやると、義左衛門様のお計いじゃ。