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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme

Aozora Bunko

「わたくしも、ぜひぜひ赤穂へ下りとう存じます。部屋住の身とて、かくておるべき秋ではございませぬ。――が、今日までは、祖母や養母のみ気遣われて、じっと、怺えておりましたが、御家中の方々も、また養父の決意も、それと極りましたからは」

兄の大高源吾も、姉の良人、岡野金右衛門も、その子九十郎も、すでに赤穂の城中にありと耳にしているのだ。――幸右衛門の気もちは察しることができる。

「どうぞ、十兵衛様からも、母上へお願いして下さい。主家あっての家名、主家なき今日、幸右衛門のつぐ家名はないと考えます。養父に死におくれては、一日とて、世上に面は曝されません」

と、若い血しおを圧し抑えて、努めて、慎ましやかに云うのであったが、涙は滂沱として、畳をぬらしていた。

「よう云うて下された。支度は母がととのえてあります。あとのことは憂いなく、いつなと赤穂へ……」

丹女は立って、さながら出陣のそれにも等しく、すべて浄らかな木綿の肌着、腹巻、小袖、細々した旅の具まで、一揃いそこへ運んで来た。

五

――六日、七日の文、おのおの一度に届き申し候。母様、何事のう御座なされ候由、うれしく存じ候。