Japanische Klassiker mit Furigana
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme
型にはまらないというよりは型以上に大きいのだなど日常も自身で豪語して憚らないような人物だった。従って、この苔ふかい柳生谷になど壮年までじっと屈していられる性格ではない。早くから家を飛出して、諸国を奔放に遍歴していたが、近頃、何かの手づるがあって、金吾中納言秀秋の小早川家へ仕えているという噂だけが聞えていた。
「ひとりぐらいは、柳生の蔓にも、ああいう変質の瓜もできてよかろう。――宗矩のごときは、余りに南向きのやぶ竹でありすぎるからの」
話し終って、石舟斎は、つぶやくようにこう述懐した。
南向きのやぶ竹とは、いったい何の比喩であろうかと、家臣たちは解けない顔していたが、そう例えられた当の宗矩には、よく分っていたとみえて、面目なげにさし俯向いていた。
幼少の頃、父の石舟斎が、道場に立って、手ずから子を木剣で打ち鍛え、また訓誡するたびによく、
(――陽なたの竹ではだめだぞ!)
と、云ったことを、宗矩は今、思い出すのであった。
宝蔵院の胤栄が、よく尺八を吹くので、その胤栄がある折、尺八のはなしにことよせて、
(御当家もお子達がたくさんであるが、子を育てるには、北向きの藪竹にしておかねばいけませんな)