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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「お遊びお遊び、歌ってね。お前にはそれが一番似合う。山の小鳥さん、お日様の子。なんにも心配することはないよ」

だが恐ろしい大敵が、襲って来るということだけは、間もなく君尾にもわかるようになった。

さてある日のことである。三吉猿を引き連れて、君尾は盆地をのぼって行った。のぼり切ったところに草原がある。灌木、微風、野花、小鳥、陽は明るく空気はにおい、大変心地よい草原である。

「さあさあ三吉、鬼ゴッコだよ。とらえてごらん、さあわたしを」例によって鬼ゴッコをやり出した。

スーッと君尾が走ってゆく。とその後から三吉猿、今日は手拭いで頬かむりをし、後足で立って追っかけてゆく。

だがなかなか捉えられない。しかしいったいどうしたのだろう? 猿は敏捷なけものだのに、いかに素早く走るとはいえ、娘の君尾をとらえられないとは? いやそれにはわけがある。つまり、君尾がひどく不機嫌になり、ピチャピチャ三吉をたたくからである。女の繊手というものは、どうしてどうして馬鹿にはならない。これでたたかれると随分痛い。三吉といえども痛いのはいやだ。で、利口に立ち働き、わざと捉えようとしないのである。