Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
塀外の声
あえて皮肉ではござらぬが、若い娘ごに取り入ろう、こういうお心でござるなら、歌舞伎物まね音曲話、そういったやわらかい話の方が効果てき面と思われますがな。第一その方が貴殿に似合う。似合わぬものはつまりニセ、いか物はいけない、いか物はいけない!」思い切って突っぱねた。
と、ムラムラと金弥の顔へ、怒気が浮かんだものである。
塀外の声
金弥の顔色が変ったのは、広太郎にとっては痛快であった。しかしこれ以上やり込めるのは、大人気ないと思ったので、クルリと背を向けて舞二郎へ向かった。
「舞二郎殿、おいそがしいかな」
「いや、例によって平凡で」
「ちょっといつもよりお顔色が悪い、勉強が過ぎるのではあるまいかな」
「ナニ、それほど勉強しません」
「それがよろしい、おなまけなさい」
「これ以上なまけたら馬鹿になる」
「いやそれ以上勉強されては、この拙者などはお話しさえ出来ぬ」
「そういわれるとこの拙者、なんだか大変学者のように見える」
「学者でござるとも、立派な学者で」
小松原舞二郎、生来の多病。それで剣道は自ら廃し、好める学問の道にむかい、林家の弟子として錚々たるもの。広太郎と同年で二十三歳、それでいてすでに代講をする。