Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
しかし心では考えた。「俺の心を見抜いたらしい」
だがすぐ後で歌うように、次のようにお京がいった時、広太郎は案外な思いがした。
「妾は流されたのでございます。可哀そうな女でございます。父が妾をこんな山へ。……でも悪気からではございません。妾の身の上を案じたからで。……いまに恐ろしい騒動が、この国に起こるのでございます。あの、謀反なのでございます。そうして妾もその一味へ……それで妾はこの山から、一生出られないのでございます。……父はこのように申しました。『家の血統を絶やしたくない』と……袴様!」と呼びかけた。それからほがらかにいいついだ。「でもよいところでございますのね、この富士見の高原は。気高い景色。質朴な人達。そうしてみんな働いております。よこしまな心などを起こさず、きっと木地師達はこの妾を、鄭重にあつかうでございましょうよ。女王でございますもの、この郷のね」
陽が木小屋にあたっている。ひときわ大きいのは伐木場で、調べ革の音が聞こえて来る。きられる材木の音がする。窓々が明るく眼をあけている。そこから働いている人影が見える。共力と生産とがそこにある。