Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
とニョッキリ一本の、あらわな白骨が立っていた。たけの高い白樺である。
「だがね、あねご」と早引の忠三、意味ありそうな薄笑いをし、盗むようにイスラエルのお町を見た。
「予感があたったらどうなさいます?」
「さあ妾どうしよう」
「逢えなかったらどうなさいます?」
「ああ妾逢えなかったら」
「日本国中さがしますかね。このあっしを供に連れて?」
お町今度は返辞をしない。じっとうなだれて歩いて行く。
「そうなったら妾ヒョッとすると……」
「縄で……首を……おつりなさいますか」
「あきらめてしまうかも知れないよ」あざ笑うような声である。「どうしても縁がないものとね」
「えらい!」と忠三飛びあがった。
「あねご、それでこそ悪党だ!」
「そうかねえ。悪党かねえ」
「いよいよそうなるとこの忠三……」
「役付くとでも思うのかい?」
「え?」
「駄目だよ!」
「なぜ?」
「なぜでも!」
「だって理由は? ……」
「すかないからさ!」
「ひでえや、ひでえや。ハッキリし過ぎていらあ」げんなりとして笑ったが、ヒョイとお町の胸を見た。
母の形見
お町の胸を見た早引の忠三、ポイと話を横へそらせた。「江戸を出た時からあっしには、ひどく気にかかっていたんですがね。