Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
早足と大力とで有名な、正雪のお気に入りの門下である。
「破戒無慚もあそこまで行くと、徹底していて面白いなあ」また八左衛門微笑したが、ふとその眼を換わせた時、忠弥の眼とぶつかってしまった。「あぶないあぶない、用心用心。どうやら喧嘩でも吹っかけられそうだ。この前きゃつと一局争い、たたきつけてやったのを根に持って、爾来俺を憎んでいるらしい。囲碁の勝負なら驚かないが、腕っ節の試合となった日には、俺に勝ち目はないからなあ。なるたけきゃつを見ないようにしよう」急いで眼を伏せると盤面を見た。
「白三と一間掛かりと来たら、どう応対していいだろうかな? 四とつけ十まで運ぶかな? これが通例というものさ。……それはそうと忠弥の奴、まだ俺を見てはいないかな?」ヒョイと眼を上げると忠弥の方を見た。と、忠弥の眼とぶつかってしまった。「どうもいけない。またぶつかったよ」あわてて盤面へ眼をおとした時、
「奥村氏!」と呼ぶ声がした。ロレツの廻らない忠弥の声だ。
「しまった。忠弥め、やって来るぞ」
はたして忠弥ヒョロヒョロと立ち、八左衛門の方へやって来た。ムズと坐るといい出した。
「さて奥村、ひと勝負やろう。