Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

忠弥狼藉

この前は負けたが今度は負けぬ。……白をよこせ、勝ってみせる? なんだ貴公なま若いくせに、先輩の拙者に黒を渡すとは! ……今日は勝つぞよ、きっと勝つ! 復讐戦というやつさ! ……ところであらかじめいっておく。貴公拙者を負かしたが最後槍がとぶぞよ、三位の槍が! 槍がこわかったら拙者に勝たせろ! なんでもいいから拙者に勝たせろ!」

フラつく手先で白を握り、「それ」というと一つ置いたが、碁盤外れへ打ったものである。

忠弥狼藉

丸橋忠弥酔っ払っている。一向平気で肩肱を張り、「さあさあ奥村、お前の番だ!」

胆を潰したのは奥村八左衛門、「こんなべら棒ってあるもんか。白をもちながら先手を打ちおる」こうは思ったが相手が悪い。仕方なく苦笑いを浮かべながら、手を伸ばすとハの十六、そこへピタリと石を置いた。

「ふふん、何だ、平凡な奴だ。つまらない所へ据えやアがった。よしよしそれならこうやってやれ」忠弥それでも感心に、今度は盤の上へ石を置いたが、ヌの十という真ん中である。

「さあやれやれお前の番だ。考えてはいかん、遅い遅い。……よいかな、兵は神速をとうとぶ。ばかの考え休むに如かず。