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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

で貴公がばかものなら、よろしい、よろしい、ウンと考えろ! が、もし利口でいたかったら、休まずズンズン打つがいい。……ええとそれからさっきもいった、勝ってはいけない、勝ってはいけない。勝つのはおれだ、心得ていてくれ。……さあさあさあ貴公負けるように打て」また肩肱をウンと張り、プーッと酒臭い息を吐き、グッと盤面をにらみつけた。

むかい合っている奥村八左衛門、本来下戸で一滴も飲まない。酒の匂いさえ嫌いである。忠弥の息が顔へかかる。胸が悪くてムカムカする。で、むずかしく渋面をつくり、時々顔を横へそむける。

「なんてだらしがないんだろう。宝蔵院の槍を取ったら、日本一の手利きか知らないが、酔っぱらうと日本一のばかになる。よしよし思うさま負かしてやれ。それ! ……」というとハの四の位置、そこへピタリと石を置いた。

「驚かねえよ」と丸橋忠弥、少し真面目に置いた石は、タの十五という位置である。

「少し正気になったらしい」こう思った八左衛門、タの十七へ石を置いた。

「よし、来やがれ」と丸橋忠弥、レの十七へ石を置いた。

「真剣になってきたらしい」こう考えた八左衛門、レの十八へ石を置いた。