Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
だが本当をいう時は、この土地の自然は雄渾で、男性的で荘重だよ。暴風の晩など想ってくれたまえ! 大森林がほえかかって来るよ! 大雪崩の真昼を想ってくれたまえ! おおかみの群れが逃げ込んで来るよ! そいつらと僕は戦うのだ! そうしていつも僕らは勝つ! くらしにくいという議論が起こって、くらしにくさがより一層、人間の身に感じるらしい。下界の生活がそいつだよ。ところでここには議論がない。だからくらしは大変楽だ。将右衛門という老人がいる。随分愉快な老人で、これまでの木地師の大将なのさ。ところが今では隠居して、その席を僕に譲ってくれた。隠居のくせによく働く。この老人には感化されたよ。この老人を見るだけでも、友よ、やって来る必要があるよ。では友よ――義兄だったね! 君の父上平左衛門殿へ――そうそう僕にもお義父さんだったね? どうぞよろしくいってくれたまえ」広太郎の手紙はこれで終わった。
二人は顔を見合わせた。
「行こう舞二郎!」と平左衛門はいった。「わしは老年だが大丈夫だ。山駕籠へ乗ったら行けるだろう」
「行きましょう行きましょう!」と舞二郎がいった。「私も病身でございますが、山駕籠へ乗ったら行けますとも!」