Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
……おッ来るな、さア参れ!」
怒りを発した広太郎、柳生の極意、九ヶ必勝、大のしにのすと水月を越し、こぶしさがりに斬り込んだ。太刀といっしょに身を沈め、敵の打ち物に隠れたが、ドンと飛んだは体あたり、敵もろともに自分の身も、こなにしようとしたのである。
「惜しい」
という声がうしろでした。ハッと広太郎振り返ると、鉄扇の武士が立っている。
クックックッと笑ったが、「まずまず見事、ちと遅かった。それはともかく、うしろをご覧。槍だ槍だ槍が出た」
家の外壁へ背を持たせ、いわれるままにうしろを見た。はたして暗中に人あって、槍に素繰りをくれている。
「袴氏とやら、槍参らせる」さも愉快そうな声である。小路戦に槍を使う、こいつ馬鹿だといいたいが、ピューッと突き出したそのすごさ。あッ、広太郎突かれたらしい! と胸先二寸の距離、そこで槍はピタリと止まり、シューッと後ろへ手繰られた。その鮮かさ、古今無双! 冷や汗をかいた広太郎太刀を青眼に構えたまま、じっと一所へ立ちすくんだ。
グルグルグルグルと闇ながら、眼前に渦巻くものがある。槍だ槍だ槍の穂先だ。眼がそこから放れない。しだいしだいに引き込まれる。