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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

紀州頼宣

上赤坂喰違い、大手よりは二十三丁、そこに広大な屋敷がある。五十五万五千石、紀州名草群和歌山の城主、三家の次席大納言、紀伊頼宣卿のお館である。

そこまで来た時、その巨鳥、翼をちぢめると思ったが、スーッとばかり木立へ下りた。しばらくは何の音もない。

その奥庭に張り出して、一宇の建物が立っていた。その部屋の中に端然と、見台にむかって坐っているのは、五十年輩の高朗たる人物、館の主頼宣である。

と、ハタハタと戸外から、雨戸をたたくものがある。が、頼宣気がつかない、じっと書物に食い入っている。と、またハタハタとたたく音! はじめて頼宣顔をあげた。

「はてな。風でも出たのかな?」

と、またハタハタとたたく音!

紀州頼宣

当時紀州頼宣といえば、叛骨稜々たる老英雄。将軍家光狂乱と聞くや、「うん、大丈夫だ。おれがいる」こういったということである。家光なんかくたばってしまえ。おれが将軍になってやる。ちっとも不思議はないじゃないか! こういう意味が言外にある。明の遺臣鄭成功、明朝恢復の大望を抱き、大日本国に援兵を乞うや、「五十五万石返上致す、十万の兵をお貸しくだされ。支那四百余州を蹂躙し、見事奪ってお眼にかけます。