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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

……とはいえ御諚を拒んだら、今後お出入りは出来ないだろう。おれにとってはこれも苦痛だ。紀州家の後ろ楯があればこそ、世間でもおれを信用してくれる。これがなくなったらその時から、おれの信用は落ちるだろう」取捨に迷わざるをえなかった。

とその時牧野兵庫、一膝進めると声を落とした。

「紀州家の使者として申すでなく、単なる牧野兵庫として、由井先生へ申し上げます。これは先生におかれては、是非とも大納言家のお言葉に従い、島原という修験者を、この際追放あそばすよう、切にお進めいたします」

「うむ、それはどういうわけかな?」

「大納言様へすがられた方が、尋常な方ではございません」

「ナニすがる? すがるとは?」

「修験者を追放するように、すがった者があるのでござる」

「ははあなるほど。何者かな」

「それより先に先生へ、お尋ね致したいことがございます。イスラエルのお町と申す婦人、先生にはお聞き及びござらぬかな?」

「さようさ、噂は聞いております。島原天草の残党で、あるスペイン司僧の娘と、日本の貴族との間にできた、混血の美人だと申すことで」

「その日本の貴族というのが、大納言家でございます」