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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

忠三往来へ突っ立ってしまった。「いや大丈夫!」と思い返した。「そこはあねごだ。まるめてしまうだろう。心配ご無用、心配ご無用……などと安心をしていると、ひでえ目にあわねえものでもねえ」そこでまたもや立ちどまった。ベソをかいたと思ったら、「寝椅子を呪う! 寝椅子を呪う!」途方もない声でわめき出した。とバラバラと五、六人、人が立ちどまったものである。おっといけねえ早引の忠三、びっくりして先へ駈け出したが、四谷までは道のりがある。駈け通せそうにも思われない。「駕籠ってものがあるじゃアねえか。なぜ乗らねえ、ばか忠々め!」自分で自分を怒鳴りつけた。「さてな」と見廻すとお茶の水でここが江戸かと思われるほど、木立が繁って物淋しい。と向こうから駕籠が来た。「空駕籠だな、おあつらえ向きだ。万事浮世はこういきてえものさ。駕籠屋アッ」と大声で呼びとめた。

「フェーッ」というと先棒が、ガタンと駕籠を抛り出した。

「へえへえこれは親分さんで、どうぞご勘弁願います。やくざ者ではございますが、まだお縄を戴くには、間があるようでございます。そりゃアあなた稼業がら、小博奕ぐらいは打ちますが、それとてほんの時々で……オイ後棒、おめえもあやまれ」