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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

第二に、第一の場合と正反対に、犯行当時は、はっきりした意識をもっていたにかかわらず、犯行後になって、とつぜん精神に異常を来して、記憶を喪失したり、あるいは全く発狂してしまう場合があり得る。この場合にも、証拠物件のない限り捜査の手段は全くなくなり、事件は迷宮に入るより外はない。

第三に、犯罪者が犯行後、良心の呵責その他の理由によりて、自殺をする場合がある。自殺の際には、全く遺書をのこさずに、ぜんぜん死因を知るに由ないものもあり、遺書をのこす場合にも、元来遺書なるものには非常な修飾や誇張や隠蔽が行われているのが通例であるから、不名誉な犯行のごときは告白せずに墓場までもっていく人があると見なければならぬ。この場合にも、一切の捜査は徒労になり、事件は迷宮に入らざるを得なくなる。

第四に犯行者が犯行後、それとは全く無関係な人に殺されることもないとは限らぬ。人を殺すような人間は、人から殺される危険も通常人より多くもっていると考えるのが至当である。この場合にも犯人が既にこの世にいないのだから、いくら犯人をさがしても見つかる気遣いはない。

最後に、犯人が、犯行後まもなく、病死、自然死、および不慮の死をとげる場合もあり得る。